前回の出会い編は下からどうぞ。
うっかり教えたアドレスからすべては始まった
黒人さんに対して、「絶対女ったらしで、日本人の女なんかちょろいって思ってるし、近寄ったら貯金もっていかれる。こわい!」と偏見だらけだった私。
だから、夫が話しかけてきても、
「ノー。無理無理。別に話したくない。」
と塩対応をぶちかましていました。
そこに現れたのが、一緒にお店に来ていた同僚と別の黒人男性。
同僚と黒人男性は、腰に手を回し回され……。
もしかして、いい感じ……?あれれ?
そして、
「私たち、先に帰るね~。」
と消えていく同僚。
すごー!!!!
さすがバイリンガル!!!!
いわゆるお持ち帰りっていうのを目の当たりにした衝撃で、
「アドレス プリーズ」
と言ってくる夫に対し、
「別に連絡来ても無視してればいいんだし、アドレスくらいいいのかな?お持ち帰りされるわけじゃないし。」
と感覚がマヒしてうっかりアドレスを教える私。
同僚も行っちゃったし、友達がバイトの日でもなかったので、アドレスを教えた後は逃げるように帰りました。
そんな日々が1週間ほど続いたある日、例の同僚から
「いつまでメール無視しているの?」
とお説教にも近い問いかけが。
「だってさー、なんか怖いじゃん。黒人って。」
という私に、
「そんなの話してみなきゃいい人か悪い人かわかんないじゃん!一回くらい会って話してみてもいいんじゃない?」
という同僚。
同僚に言われて、
「あ。確かに。ちゃんと話したことがない人のこと、あれこれ決めつけていたかも。」
と初めて自分が夫のことを偏見の目で見ていたことに気がつきました。
一度気がついてしまうと、今までの偏見の数々に対して勝手に申し訳ない気持ちになり、
「まぁ、一回食事に行くくらいだったらいいか。」
と、メールに返信。
こうして、夫と食事に行く約束をしました。
あれ?意外と話せる?アフリカ人夫の意外なギャップの数々
夫と会う当日。
どうせバー的なものに連れて行って持ち帰るつもりなんでしょ!そうはいかないんだから!
と、先日の反省をすっかり忘れて、またもや激しい黒人偏見で頭がいっぱいだった私。
だから、夫が連れて来てくれたお店に少し拍子抜けしました。
が連れてきてくれたお店は、私も知っているお店でした。
デートで使うというよりは、家族と来たいようなお店。
めかしこむというより、美味しいものを楽しむといった雰囲気のお店を選んでくれた彼に、
「お。このお店に連れてきてくれるんだ。センスいいじゃんか。」
と、ここでちょっと印象がプラス。
その後も、お店でいろいろな話をする中で
「あ。この人以外と真面目なんだ。」とか、
「すごい気を使ってくれるな。」とか、
私の思い描いていた黒人の勝手なイメージとは180度違う彼に、どんどん惹かれていきました。
もうね。
最初の印象が底辺なので、ちょっとしたことでもプラスに見えちゃう訳です。
ペラペラと主導権を握るように話すのではなく、ゆっくりと恥ずかしそうにポツポツとしゃべる様子だけでも、「かわいいなー。」なんて思ってみたり。
典型的なギャップの勝利。
世間で言われている「ギャップ、いいよね!」を体感しました。ギャップおそるべし。
その日はご飯だけで「さようなら」ってなったのも好印象でした。
「絶対ホテルに連れて行こうとするんでしょ!!」
なんてどこかで思っていたので、恥ずかしいったらなかったです。
その日を境に毎日会うようになり、自然な流れで夫とお付き合いをすることになりました。
結婚っていう制度が便利だと思った
夫と毎日会って色々なことを話して時間を共有しているうちに、
「このままずっと一緒にいるんだろうなー。」っていう気持ちが生まれてきました。
まぁ、付き合い始めって、そんなもんですよね。
ただ、よくある「このままずーっと一緒にいようね!」みたいな熱い感じではなく、もっと熱がなくて、そうじゃないことが不自然だと思えるような、不思議な感覚でした。
今まで何人かの人とはお付き合いしたことはありましたが、そんな風に思えた人は夫が初めてでした。
そして、そんな風に考え始めたら、私の中で「結婚」っていうキーワードが自然にポンって浮かんできました。
しかも私気がついたんです。
結婚ってすごく便利なことに。
もし今のこの状態で、私か夫が事故にあって危篤寸前の重体になったとします。
そうしたら、どちらかに必ず連絡がいくって保証がない訳です。
だって、赤の他人ですもんね。
ということは、事故にあって危篤状態だから待ち合わせの場所に来れなかったとしても、
「なんで来ないの?もう嫌いになっちゃったの?」
みたいなすれ違いになりかねない。
でも結婚は違います。
赤の他人が、法的な家族になれるんです。
相手に大変なことがあったら、ちゃんと教えてもらえるし、支えることができます。
こんな便利なことってないよねって、私は思った訳です。
でも、私はそう思っても夫はどういう風に思っているのかわかりません。
ましてや、夫は日本に住んでいる親戚に会いにきているだけの旅行者です。
帰る日も決まっています。
だから、帰る日の1ヶ月前になっても夫が何も言ってこなかったら、逆プロポーズをぶち込もうと思っていました。
というか、出会って約2ヶ月(私と出会ったのは、夫が来日して2日後でした)でプロポーズなんてされる訳ないだろうと思っていたので、自分からいう気満々だった私。
ですが、そのXデーの一日前に、「Will you marry me?」と夫からのプロポーズを受けました。
こうして、黒人にど偏見を持っていた私は、黒人と結婚をすることになったわけです。
うん。本当に世の中って何が起こるかわからないです。
長くなったので、続きはまた!